こんにちは!
もブログの千明です。
個人で起業している身にとって、商品やサービスの値上げの判断って難しいですよね。
今の価格のままだと、利益が出ない。。目標売上に達しない、最悪廃業も。。 となると、なんとしてでも売り上げを上げなければなりません。売り上げを上げるためにどうしますか?
値上げによる客離れを恐れて企業努力だけで乗りこえますか?
起業してクラフト教室をやっている友人は、10か月間で何度か値上げをして、売り上げを3倍に増やすことに成功。その結果自分に自信を持ち、サービス向上に成功し、顧客満足度も下がるどころか、アップしました。
彼女のように成功する値上げとと失敗する値上げの違いはどこにあるのでしょう?大手企業でも値上げをして赤字になるか、利益を伸ばすか、分かれますよね。
成功する値上げ、失敗する値上げを実例から見てみましょう。成功する法則が見えてきます。
値上げをすべき理由
値上げは、極力避けたい、と多くの経営者は思うかもしれません。
でも、値上げは、必要なもの。それは、経営側にとっても顧客側にとっても同じです。必要な値上げはするべきです。
値上げをしないと廃業も
値上げをしないと、売り上げを伸ばすためには、どうしますか?
売り上げ= 商品単価 × 数量
単価を上げられないと、数量勝負になります。薄利多売に走る、ということになりますよね。
特に取り換えが効かない個人企業だと、顧客に向き合ったり、腕を上げるための時間が減り、品質やサービスに悪影響がでてきます。無理をすると体を壊すこともあり、最悪廃業になる可能性もあります。
顧客層が変わる
値上げをすると、顧客層が変わります。
もともとあなたのサービスに魅力を感じていないような価格だけで来ている顧客は去るかもしれません。そのような客層はあまり「良い」客層とは言えません。あなたのファン層は値上げをしても残ります。
その結果、クレーマーなどの困った層がいなくなり、精神的にも時間的にもいい循環が生まれます。
品質が向上する
値上げをすると、起業側の意識が変わります。もっと頑張ろう、残った顧客に喜んでもらおう、となるものです。値段に見合った品質を目指すので、結果的に高品質になり、顧客満足度もアップします。
利益が増えれば、材料もいいものに変更できるし、技術も磨くことができますよね。
値上げした成功例
起業家の友人が値上げを断行しました。顧客は全員残り、見事売り上げが3倍になりました。実際のストーリーを聞けました。
彼女の例を詳しく見てみましょう。仮に玲子さんとします。
地方都市のクラフト作家の値上げ例
玲子さんは九州の地方都市に住んでクラフト教室を営んでいます。
既存の生徒さんに対してレッスン代の値上げはハードルが高いですよね。
玲子さんは、単にレッスン代金を上げたのではなく、既存生徒さんには、イベントごとの特別レッスンを設けました。特別レッスンを今までの価格よりも2000円から最大5000円値上げすることにしました。
新しく入会の生徒さんには、初めから新単価(基礎コース倍額)にしているので、こちらも無理なく値上げできました。倍額でもコース説明をしたら納得されました。
玲子さんの値上げ成功のポイント
値上げに成功した理由は、2つあります。1つは、特別レッスンを設けた、ということ。2つ目の理由はマインドです。
自分の提供するサービスに対する自信が成功の大きな理由になっているのです。
実は、玲子さんは、10か月前にも、500円値上げしています。この時は、びくびくしながら2500円から3000円の値上げでした。この時と、今回の「既存レッスン2000円以上の値上げ、と新規コース倍額」は何が違うかというと、サービスに対する自信です。
これだけのことをやっているので、このレッスン代、ということが堂々と言えるようになったのです。
生徒さんはクレームもなく、全員残ってくれたそうです。自分も自己肯定感が高まり、より一層腕を上げ、いいレッスンが提供できるようになった、といいます。
もう1つ値上げ成功の例をあげましょう。
ヘアカットQBハウスの例
それは、ヘアカット専門店のQBハウス。
2019年2月に1080円から1200円に値上げしました。なんと一気に11%です。しかし、顧客離れは予想を下回り、値上げは成功しました。
低価格がウリのQBハウスが、なぜ値上げに成功したのでしょう?
その理由は、顧客が値段だけを求めていたのではなかったことです。QBハウスは、10分カットもウリで、この速さが顧客の心をとらえていたんです。
価格だけがウリだったら、値上げは命取りになっていたでしょう。
夢を売るオリエンタルランド
最後は、誰でも知っているディスニーリゾートを経営するオリエンタルランドです。
オリエンタルランドは、まめに値上げを繰り返し、大人の1日パスポートはなんと、7400円もしています。私が行っていた90年代は5000円台ですから、かなりの値上げです。ですが、相次ぐ値上げでも、入場者数は右肩上がり。陰る気配もありません。
この快進撃をささえているのは、価値をぶれずに守っていること。
ディズニーリゾートの価値は、顧客を夢の国~非日常~に連れていくこと。ゴミ一つないクオリティで、スタッフはキャストと呼び、掃除係までの全員が演技をしています。
顧客には、飲食物の持ち込みをさせません。これ、高い入場料を払っているこちらとしては、お弁当持ち込んで経費節約したいですよね。当然そんな利用者の声は届いてますが、それでも断固として、妥協しないのは、非日常を壊さないため。
そこらへんの企業なら、利用者の声に押されて解禁するところでしょう。1つ妥協すれば、価値がぶれます。
オリエンタルランドは、価値を守っているからこそ、値上げをしても、入場者数は増え続けるのです。
確かに、熱烈なファン多いですよね!
では、次に値上げ失敗例を見てみましょう。
値上げ失敗してしまった実例
大手焼き鳥チェーンの鳥貴族の値上げ失敗は、有名ですね。
安さがウリで、明朗会計・均一値段の鳥貴族は、2017年に1品280円から298円に値上げして、客離れを起こし、19年になっても回復しません。
先ほどの成功例と比較すると、鳥貴族の価値が価格にあったことが最大の理由です。
低価格の焼き鳥チェーンはほかにもあるので、顧客は価格に魅力を感じていたんですよね。魅力がなくなるともうほかの店に流れてしまうということです。
値上げの失敗と成功の差は?
クラフト作家の玲子さんやQBハウス、オリエンタルランドは、値上げに成功し、鳥貴族が失敗した違いは、企業価値がどこにあったかの差が大きいです。
成功者は、価格に価値を置いていなかった。高価値、高価格です。しかし、失敗者は、企業価値が価格にあったのです。
また、鳥貴族は実に28年ぶりの値上げ。また、全品一律値上げだったことも、顧客に強く値上げの印象がついてしまい客離れを起こしてしまいました。
低価格を売りにして、残っていくのは、とても難しいのです。では、どのように値上げをしたら良いのでしょう?
成功する値上げの方法
値上げをすると気に告知をするかしないかは、営業形態で異なります。
今回記事を書くにあたって様々リサーチしましたが、小売業とお教室・サロンなどとは告知方法が違います。
- 小売り。。値上がりを印象付けてしまうので告知しないほうがいい場合も
- お教室 サロンなど。。 告知は遅くとも1か月前から告知をする。予約時、施術前にも説明をして、理解を得る
一律値上げは印象が強いので、前出のクラフト作家の例でもあったように、施術内容やレッスン内容を多少変えグレードアップをしながらの値上げにすると抵抗感が減ります。
値上げの際には、新価格に見合った内容の商品を提供することを心がけましょう。QBハウスのように、価格以外の価値を提供できるようにします。
値上げした時に客離れを起こさないために
特に個人事業にとって値上げをすることは勇気がいりますが、必要な時は決行しましょう。
・価格勝負をしないために、価格以外の価値を見出す
・一律値上げは目立つので避けること
・告知は1か月前までにすること
・小売りの場合は、告知をしないほうがいい場合も(値上げが目立つから)
・施術、レッスンなどの場合は、サービスの改定を絡める
低価格では、企業の体力がもちません。高価格高品質が経営継続に結びつくのです。